EDは大きく器質性と心因性の2つに別れていて、簡単に言うと「身体の機能が問題で起こる場合(器質性)」と「精神の問題で起こる場合(心因性)」になります。両方考えられる場合は「混合性ED」とも言われていますが、この2つの他に薬剤性EDという種類もあります。

薬剤性EDは持病や疾患を治療する上で服用した薬剤(薬品)の副作用によってEDや性機能障害が発生するタイプのEDで、器質性・心因性とは異なります。

今回はこの薬剤性EDの中でも最も多い「抗うつ剤の服用による薬剤性ED」について詳しく調査してみたので紹介したいと思います。

このご時世、うつ病や精神疾患は他人事ではないので、働き盛りでストレス過多な中年男性は少しばかり知っていても損はないかと。まぁ、自分自身のために調べた内容なのですが…興味がある方は参考に程度に見てください。

副作用に「ED」が含まれている薬品・治療薬

調べる前から抗うつ剤の副作用にEDや性欲減退がある事は知っていたのですが、もっと深く調べてみるとけっこーあることにビックリしました。ちなみに、降圧剤なども有名なので知っていましたよ。

薬品 疾患・病名
向精神薬(抗うつ剤) うつ病、精神疾患
降圧剤 高血圧症
高脂血症治療薬 脂質異常症(高脂血症)
抗潰瘍剤 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、尿管結石
抗男性ホルモン薬 前立腺肥大症、前立腺がん

参考:薬剤性ED(勃起不全・イーディー)|コラム|ユナイテッドクリニック池袋駅前院

こんな感じで、色々な病気で処方される薬品に性機能障害を引き起こしてしまう副作用があるんです。

ちなみに、最もリスクが高いと言われているのは「降圧剤」です。と言っても降圧剤の中には色々な薬品種があるので、一概には1番リスクが高いとはいいにくいのですが、中でも「中枢性交感神経抑制剤」になる降圧剤はEDに繋がる可能性が高いとされています。

薬品によってEDを引き起こしてしまう理屈は違う

一言に「副作用にEDが含まれている薬品」としてピックアップしましたが、これらの薬品が全て同じ理屈で同じようにEDを誘発するわけではありません。各々の薬品で副作用を引き起こしてしまう理屈は違うんです。

例えば、前立腺肥大症で用いられる抗男性ホルモン薬であれば、服用することで男性ホルモンを抑制することでEDに繋がります。一方、降圧剤であればハッキリとした原因は解明されていませんが、男性ホルモンとは別の理由でEDに繋がっていることがわかっています。

このようにEDになる可能性がある薬品でも、EDを誘発するまでのメカニズムは各々異なっているんです。まぁ、最終的には勃起不全になるわけなので、ゴール地点は一緒なんですけどね。

服用している期間によっても変わる

副作用があるからといって飲んだ瞬間からその副作用症状が発症するわけではありません。もちろん、体質によって異なりますが、EDに関する副作用症状は、ある程度長い期間服用している人に多く見られるようです。

EDに繋がる副作用がある薬品を長期間飲んでいる方が、そのリスクが高くなるのは当然といえば当然ですからね。

抗うつ剤が性機能障害(ED)を引き起こす理由

さて、少し長くなりましたが、ここからが本題になります。抗うつ剤によるEDや性欲低下などについて自分なりに調べてみたので紹介したいと思います。

なぜ抗うつ剤が性機能障害を引き起こすのか?

上記でも説明したように、薬品によって性機能障害を引き起こしてしまうメカニズム(仕組み)は異なります。薬品によってはまだ解明されていない種類のものもありますが、抗うつ剤に関しては比較的に有力な仮説があるようです。(完璧には解明されていないようですが…)

深く関係しているのはセロトニンです。うつ病はこの神経伝達物質であるセロトニンが少なくなっていることで引き起こされているとされています。つまり、その治療薬である抗うつ剤はセロトニンを増やすための薬です。

しかし、セロトニンが増えてしまうと、気持ちが落ち着くと同時に性欲などの欲求も落ち着いてしまい、これが性欲の低下になってしまうんです。

男が勃起する際はアドレナリンやドパミンという神経伝達物質が必要不可欠なのですが、セロトニンとアドレナリン・ドパミンはシーソーのような関係で、どちらかが優位な時はどちらかは劣位になっています。つまり、どちらも優位・劣位に立っている状況はありえないんです。

そんな関係の上で、抗うつ剤によってセロトニンを増やすわけですから、性機能障害が発生するのも必然と言えば必然ですね。

抗うつ剤のアドレナリン・ドパミンの抑制もEDに繋がっている

抗うつ剤はセロトニンを増やすためにプラスだけを与える薬ではありません。説明したように、シーソー関係なのでアドレナリンやドパミンを抑制するだけでもセロトニンの増加に繋がるわけで、この理屈で抗うつ剤の中にはアドレナリンやドパミンをブロックする作用も含まれているんです。

アドレナリンは海綿体に血液を流す際に血管を調整する働きもあるため、ブロックされてしまうと男性器に血液が集中させることができなくなってしまいます。

ドパミンも同様でブロックされてしまうことで、プロラクチンという物質が血中に増加してしまいます。(ドパミンはホルモンと深い関係がある神経伝達物質と言われています。)このプロラクチンは男性が射精した後に増える物質で、簡単に言うと「賢者モードの立役者」です。

そんあ物質が射精前に増えてしまうということは、男なら少し考えれば理解できるかと思います。

うつ状態になっても性機能障害に十分陥る!

抗うつ剤の副作用を紹介すると、抗うつ剤やセロトニンは性欲や勃起の敵という風な印象になってしまいますが、これもこれで違います。

そもそも、うつ病の症状の1つに性欲低下やEDは含まれていますし、ED症状からうつ病が判明したケースもあるほどです。つまり、抗うつ剤の副作用があるからといって、服用せずにうつ状態が続けば、これでも性機能障害になってしまうわけです。

そもそも、セロトニンが減少していると性欲すら湧かない状態とも言えます。

要はバランスです。セロトニンに関してもドパミン、アドレナリンも健康的なバランスを保っていることが正常な性欲や勃起に繋がっているわけです。

なので、抗うつ剤による性機能障害があるからといって、うつ病の治療を行わないのは言語道断。むしろ、理想的な道はうつ病をまず治療し、その上でEDをも克服していくということなんです。

まぁ、うつ病なら既に性機能障害なわけですからね…

抗うつ剤と性機能障害について

それでは抗うつ剤ごとの副作用について調べてみたので紹介します。

抗うつ剤の種類によって性機能障害リスクは違う

これは管理人も知らなかったのですが、抗うつ剤には大きく4種類の分類があります。

  1. 三環系抗うつ剤(TCA)
  2. 四環系抗うつ剤
  3. 選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)
  4. セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬(SNRI)

まぁ医療用語が並びすぎて訳わかららないと思いますが、どれも抗うつ剤として効果があるわけですが、各々アプローチが違うので分類別けされているわけです。そして、そのアプローチの違いから副作用が異なり、性機能障害や勃起不全になるリスクが違うんです。

引用:医者と学ぶ「心のサプリ」 | 抗うつ剤の性欲低下・性機能障害と5つの対策

この画像は、抗うつ剤別に性機能障害の割合をパーセンテージで表しており、最も高い数値では服用者の80%が性機能障害になっていることになります。

抗うつ剤のタイプによって性機能障害リスクが違う

抗うつ剤のタイプによって性機能障害になるリスクが違うと言われています。上記の表で最も高い割合のジェイゾロフトとパキシルは共にSSRI系で、他よりも比較的にリスクが高いタイプと言えるでしょう。

しかし、タイプだけでなく薬品別にみるとSSRIの中でも比較的にリスクが低いものもあります。

タイプ 薬品名 性機能障害リスク度合い
四環系 テトラミド
ルジオミール ++
SNRI系 サインバルタ ++
イフェクサー ++
トレドミン ++
三環系 トリプタノール ++
トフラニール ++
アナフラニール ++
アモキサン ++
ノリトレン ++
SSRI系 ルボックス/デプロメール
レクサプロ ++
パキシル +++
ジェイゾロフト +++

参考:セルトラリン錠の効果と副作用-医師が教える抗うつ剤- | メンタルクリニックDr7’s INFO | 精神科・心療内科

この表からわかるように、SSRIだからと言って全てがリスク大というわけでもないですし、アプローチの違いから四環系は基本的にリスクが低い
というものもあります。

もちろん、性機能障害リスクの有無や度合いだけで、薬を選ぶわけではありません。あくまでも、うつ症状や体質などから医師が判断して処方して
くれるものなので、これを知ったところで自分で選択するのは難しいかと思います。